賃借者の権利保護団体が、逼迫したBC州の賃貸市場を背景に、切羽詰った賃貸者に法の抜け道を利用して家賃を吊り上げる家主を糾弾している。法的に許容される家賃の最大上げ幅は2008年は3.7%だが。賃貸者資源・擁護センター( Tenant Resource and Advocacy Centre)によると、その2倍か3倍の値上げが日常のように見られるという。センターのM・ルイス事務局長によると、自身が扱った最悪のケースはキツラノの某アパートで、昨年家主が、15%の家賃値上げに同意しないなら、30%上げると、ほとんどが高齢者の賃貸者たちを脅迫したそうだ。「同意しなければもっと値上げされると思った高齢者たちが自主的に15%の値上げに同意してしまいました」とルイスさんは金曜日CBCニュースに語った。法の<抜け道>の一つとして、1年期限の賃貸契約を要求する家主が増えているそうだ。契約期限が切れるたびに再交渉するので、その度に家主が家賃をつり上げることができる、とルイスさんは説明する。「継続的な家賃の値上げから賃貸者を保護するという法律の主旨を、こうして完全に回避しています。それが今では普通のこととなっているのです。借主は住宅を失うのではないかと恐れています」と同局長。その一方、BC州アパート管理者協会のD・バー氏は、期限付き賃貸契約によって、家主は毎年の予算を組み、借主の引っ越しの計画などをある程度予測することができると指摘した。「例えばクリスマスの頃に引っ越されると、市場が停滞気味の時期ですから需要も比較的低いため、収益も減ってしまいます」と同氏。カナダ住宅ローン・住宅供給局(Canadian Mortgage and Housing)の最近の数値によると、BC州各都市での空き室率は、1.1%とカナダで最低レベルにある。ビクトリア、ケローナ両市が国内最低で、わずか0.3%であった。居住者家賃の最大許容上げ幅は、毎年インフレ率に基いて州政府が設定する。
ラドナー氏、バンクーバー市長指名候補選でサリバン氏を破る
日曜日の指名候補選でP・ラドナー議員に敗北した結果、バンクーバー市長S・サリバン氏が次期選挙で再選を目指して無所属協会(Non-Partisan Association)より立候補する可能性は消えた。11月の市長選で与党の指名候補としてラドナー氏が1066票の支持を得たのに対し、サリバン氏は986票だった。日曜日午前10時から午後4時にかけて市内のホテルで開かれた候補指名大会で、NPAメンバーたちが投票したもの。「何度も言いますが、もっとよい市政を行い11月の選挙で勝てると信じるからこそ、NPAに対する忠誠心のために立候補したのです」とラドナー氏は勝利者演説で語った。ラドナー氏は2002年にバンクーバー市議会に初当選、2005年には再選を果たした。サリバン氏は、ラドナー氏の選挙運動をたたえ、接戦だったと述べた。「冷静に受け止めています。いつも最善を尽くしていると思いますし、市民とNPAにはできる限りの事をやっています」と同氏は記者団に語った。「民主主義のプロセスを尊重します。ラドナー氏は大変よくやりました。組織力が目立ちました。おめでとう、と申し上げたい」と同氏。
サリバン氏は1993年に市議会に当選、2005年11月に市長に選出されるまでの12年間市議会議員を務めた。「任期完了まで任務が続行できることをを光栄に思います。その後は何か別のことをします」由。大会では投票前の午前中、両人は数少ない聴衆の前の討論で対決した。サリバン氏はホームレスと犯罪について語ったのに対し、ラドナー氏はバンクーバーを緑豊かな都市にすることと世界経済市場での競争力に焦点をあてたスピーチを展開した。
ガソリン価格高騰がガソリン盗難の引き金に
ガソリン価格の急激な値上がりが、ガソリン盗難事件多発の引き金となっているが、ガソリン盗難に遭った人々は被害届を出さない傾向を見せている、とビクトリア市警察が木曜日に報告した。75ドル、80ドル、95ドル相当という規模の盗難になってきているので、被害が多発している地区を同定し、そこを重点的にパトロールして摘発していく方針だ、とサーニッチ警察署のG・シェンク巡査部長は語った。ビクトリア在住のJ・ピアソンさんは、先週ティリカム・モールの駐車場に車を停めてモール内にいた僅か25分間の間に被害にあったとのこと。「車に戻ってエンジンをかけたら、燃料表示ランプがついていて<E(空)>を示していました」由。約30ドル分のガソリンを吸い取られたが、タンクのキャップにロックはついていなかった、とピアソンさん。キャップ用ロックの需要が増している、と自動車パーツ専門店の主任D・デビッドソン氏は語る。キャップ用ロックは50ドル前後するが、給油口とガソリンタンクの構造に弁を組み込んだガソリン吸い取り防止式の車もあるので、購入する前にパーツ専門店と相談するべきだと同氏。多くの場合ロックは必要ない。
文書偽造の疑いでトラック運転手154名が 免許取り消しに
ICBC(BC州自動車保険公社)はトラック運転手154名の営業用車両運転免許を文書偽造の疑いで取り消し処分にしたと表明した。広報担当D・ヘンダスン氏によると、今後一切の運転を禁ずるという通知が該当者に送られたそうだ。BC州で第1種(Class 1)営業用車両運転免許を取得するには、3年間安全運転してきたという証明文書が必要だ。カナダ人やアメリカ人の場合、ICBCで記録データを照合することができるが、他国からの移住者の場合は当該国で安全運転をしていた証明となる文書のコピー提出が要求される。ICBCとRCMP(連邦警察)が共同で約1000件を調査したところ、運転手154名が偽造文書を提出したらしいと判明したもの。「文書にある運転歴を裏付ける証拠を提出できず、文書を検査したところ偽造の確証が得られました」とヘンダスン氏。この調査の発端となったのは、昨年RCMPが閉鎖処分にサレー市の運転教習所だ。<サウスウェスト・ドライヴィング・アカデミー>の経営者、カマル・シング氏は、現在文書偽造の罪で起訴されており、今月下旬サレー地方裁判所に出頭する予定だ。対応策としてICBCではその後、海外での運転暦を証明する文書をコピーではなく原本で提出する旨規則を改定している。Class1の営業用車両運転免許は、食品、日用品などを全州各地に運送するセミトレーラー式トラックを運転する際に必要と
なる。
サレー市のビーバー捕殺認可に 動物愛護家たちが激怒
クーガークリーク・パークの池近辺の住民を洪水から守ろうとビーバーの捕殺を認可したサレー市に対し、動物愛護活動家たちが怒りを表している。市の土木工学課排水担当者C・バロン氏によると、市は動物を捕殺する特別許可を州政府から得ているそうだ。この許可のもとに水曜日朝、係員がクーガークリーク(川)中のビーバー・ダムを撤去し、仕掛けてあった罠にかかった雄ビーバーが頭がい骨を潰されて死亡したもの。この処置は動物愛護主義者たちの非難の的となった。その一人、元バンクーバー公園管理委員のR・カッセルさんは、非人道的であり、擁護できないと語った。サレー市における人間による野生動物生息地の侵害こそ手に余ると述べた。「私たちにビーバーに残された僅かな生息地を奪う権利はありません。ビーバーはカナダを象徴する動物の一つでもあり、いかなる動物にせよ全くひどい取扱いです」とカッセルさんは訴えた。BC州罠猟師協会の講師A・スターキー氏の話では、市が良心的な方法で罠を用いたとは信じがたいと語った。「この時期に罠を仕掛けるような者は誰もいません。2匹のつがいを捕らえる事になり、その子供は結局死んでしまいます」由。カッセルさんによると、雌ビーバーと子供たちは生き残ったそうだ。
モットーはまだ秘密 オリンピック組織委
国際オリンピック委員会(IOC)は、2010年開催のバンクーバー冬季オリンピックの公式モットーをすでに承認したが、残念ながら組織委(VANOC)では向こう数ヶ月は発表しない予定だそうだ。日刊プロヴィンス紙が行ったランダムな街頭アンケートの結果によると、組織委が大衆にバンクーバー大会のイメージを充分に印象付けていないようだ。質問された12名のうち、当市主催の世界的スポーツ・イベントを称える文句が思いついた者は一人もいなかったのだ。例えば、バンクーバー在住のバーテンダー、J・ミルナー氏は、このスポーツ大祭典を評して「バンクーバーで2010年、借金返すの2050年。」スチームワークス醸造所のC・グモーザー氏は「雪がふること祈りましょう。」ダウンタウンの花屋K・ブッシュ氏は「お金持ちのパーティ。」自称「自分らしく生きようとしている若者」L・キャスパー氏は「老後の蓄えカンケイナイ、オリンピックでつかっちゃえ。」一方、ガスタウンの写真屋J・シンプソン氏は観光客向けに「イラッシャイ、イラッシャイ、ドンドン使ってね。」K・ローグさんは政治的な標語で「メダルvs住宅」、その他活字にできない言葉も幾つか。IOC運営委員会は今週アテネで開かれた会議で、2010年冬季オリンピックの標語と聖火のデザインを承認した。VANOC会長J・ハロン氏によると、モットーとトーチ・デザインはまだ公式にできる段階ではなく、デザインなどをさらに洗練してから公表したいと語った。
オリンピック候補が目白押し トライアスロン選手権
今週バンクーバーで開催されるトライアスロン世界選手権はオリンピックの予選でもあるため、世界トップ・クラスの選手が参加する。日曜日の男子エリート・レースでは、スペインのハビエル・ゴメスがカナダのサイモン・ホワイトフィールドと対戦する。2人は昨年の世界ランキングで1位と2位だったライバル同士である。2000年のシドニー大会で金メダルを獲得したホワイトフィールドはカナダのチームメイト、ローレン・グローブズと共に、過去2シーズンの優秀な成績によりオリンピック出場権を確保している。もしカナダ選手が日曜日のエリート・レースで活躍し、カナダが総合世界ランキングでトップ8カ国の一つとなった場合、カナダはさらに男子2名、女子2名と計4名分のオリンピック出場権を獲得する。カナダ・トライアスロン連盟ではその出場権を、ワールド・カップ競技で2回8位以内に入り、かつ日曜日の競技で8位以内に入った選手に与える方針だ。この基準を満たす選手がいない場合は、連盟は選抜委員会をもうけて、どの4選手がグローブズ、ホワイトフィールドと共に北京大会に参加するかを決定することになる。カナダの女子選手では、今シーズンのワールドカップ競技で最低1回は上位8位に入っているキャロライン・マリー、キャシー・トレンブレイとキルスティン・スィートランドの3名がトップレベルにある。一方男子では、今シーズンのワールドカップで上位8位に入っているカイル・ジョーンズとポール・ティシラーもトップレベルに名を連ねる。なお木曜日にはジュニア競技が開催され、金曜日はスプリント長距離競技が、土曜日は年齢別選手権がそれぞれ開催される予定。
高燃費車を減らそうと 州政府が無料パスや自転車を提供
BC州政府は道路上の高燃費車を減らす諸対策に予算1500万ドルを割り当てている。水曜日発表された、向こう3年間で空気の質を向上させる目標のクリーンエアー計画の一環として、州政府は、新車を購入して高排出ガスの車を廃車にする者に、公共交通機関の無料パス、自転車や報奨金を提供することになった。車と軽量トラックで1992年型以前の車両で、ここ12ヶ月間保険がかかっており、廃車処理施設まで走行できる状態の車両である場合、
= 最高2000ドル相当までのトランスリンク社月間パス
= 新しい自転車購入の費用1200ドル、及び1年分の同無料パス
= 温室効果ガス排出量により750ドルから2250ドルまでの、新車購入向け補助金
が提供される。
マクリーン誌掲載記事をめぐる告訴 BC州で審理開始
月刊マクリーン誌掲載記事がイスラム教に対する憎悪を広めたとする人権侵害を根拠とする告訴の審理が月曜日バンクーバーの法廷で始まった。これは本社がトロントの同誌が2006年10月号で《未来はイスラム教徒のもの》という見出しの記事をめぐり、カナダ・イスラム議会のM・エルマスリー、N・ハビブ両氏が、カナダ連邦及びBC州人権保護当局に対して同誌を告訴したもの。
M・スタイン氏の著書を一部引用した掲載記事は、イスラム教が北米の社会機構や価値観を脅かすものと主張、移民に加え高出生率で増え続けるイスラム教徒人口が西欧において将来他の宗教の人口を上回ることを統計的に示している。ハビブ氏は、掲載記事のため宗教的差別や憎悪の対象になったと主張、同記事がBC州人権保護法違反に当たると訴えている。同氏の弁護士F・ジョゼフ氏は月曜日次のように述べた。「カナダ最高裁その他この国の法廷では、(表現の自由には)妥当な制約があるとされているのは明らかです。BC州法第7条1項が規定する制約をスタイン氏が侵さない限り、意見を述べる事に問題はありません。」第7条1項は差別的内容の出版に関わり、特定の人物や集団を差別したり、憎悪や侮辱の対象とするような出版の禁止を規定している。同弁護士は「こうした記事を一つひとつ、一パラグラフずつでも検討して、異議ある項目を取り上げていく用意があります」と語る。一方でマクリーン誌側の弁護団は、同記事掲載は言論の自由と公開討論の範囲に入ると主張し、「週後半にも、記事が憎悪や侮辱と呼べる範疇にはないことを主張していくつもりです」とその1人、J・ポーター氏は語った。
<逆さ教会>の彫刻 バンクーバーからカルガリーへ
バンクーバー公園委員会が展示を拒否した屋外<彫刻>(立体アート)がカルガリー市のグレンボウ美術館で展示されることになった。アメリカ人芸術家デニス・オッペンハイム氏による作品『悪を根絶する装置』は、尖塔を地面に突いて逆立ちした教会を模倣している。同氏は自己ウェブサイトで「田舎の小さな教会が尖塔の先でバランスをとっている、あたかも大きな力に引き上げられて運ばれてきた、悪の勢力を根絶する装置、あるいは方法のように」と1997年の同作品を語っている。市内の公共空間に展示されたバンクーバー彫刻ビエンナーレ出展作の一つとしてコールハーバー地区で展示された同作品に対する、市民の意見は分かれた。悪の根絶という教会の使命の無意味さを表していると解釈して批判する者、景観をそこなうとする者、同作品を素晴らしいとする者等々。結局バンクーバー公園委員会はこの作品を撤去する事を票決した。所持者はカナダでの慈善事業を促進する企業ベネフィック・グループだ。
一方グレンボウ美術館は月曜日、同氏を世界的に名高い彫刻家として、その作品を歓迎する旨を表明した。「今度はカルガリー市民がこの作品にインスピレーションとチャレンジを感じる番です」と館長のJ・スポルディング氏は述べた。鉄、アルミとガラスで造られコンクリートの台に固定された同作品は来週、分解されてカルガリーに輸送される予定。美術館ではまだ展示する場所を決めていないが、大きさから考えて屋外になりそうだ。ベネフィック・グループのJ・ブロムリー副社長は「バンクーバーの公衆アートの取り扱いと好対照です。撤去が大きな損失であること疑いなく、後々熟考と反省が喚起されることを願うばかりです。しかしこのバンクーバーの損失は、カルガリーにとって、グレンボウ美術館にとって、そしてカナダの別の都市で評価を得た作者にとって
大きな勝利です」と述べた。オッペンハイム氏はワシントン州エレクトリック・シティで生まれカリフォルニアで学び、現在ニューヨークで活動している。彼の作品はロンドンのテート・ギャラリー、ニューヨークのホイットニー美術館や近代美術館、韓国のオリンピック公園などに展示されている。

