随分と昔になるが、初めてバンクーバーに来た時のことだった。”お部屋は南向き”と決まっている典型的日本人で あった私は、住むアパートを探しているとき、徹底して南向きにこ
だわった。南向きなら雨の多いバンクーバーでもカビが生えないし、何といっても南向きの部屋で寒~い冬をコタツにみかんとはいかなくてもポカポカと過ごしたかった のだ。
日本みたいに賃貸情報誌のないこの国では、ただひたすら”Available for Rent”の看板を探して歩き回るしか他に方法がないから効率が悪いうえに、家賃の価格だの広さだのおまけに南向きとこだわることが多いからなかなか気に入った物件にめぐり合えず、苦戦に苦戦のアパート探しとなったことを覚えている。
そうして、足を棒にして歩き回わっているうちに、”なぜ南向きでなければならないの?”と聞かれることしばしばで、その時は”なぜ?”って聞かれるほうが”なぜ?”って思ってしまったのだが、後にその理由が分かることとなった。
要するに、環境からくる常識の違いだったのだ。日本では年間を通して湿気が多く、冬は部分暖房であるため日本の家は寒い。だから、くそ暑い夏はまあ無視して、やはり日光が一杯入る南向きの部屋が好まれる。一方、バンクーバーの冬は雨、雨、雨。南向きだろうがなんだろうがいずれにせよ肝心の日が差さない。さらに、家中暖房で、しかも雨が多い わりには湿気が少ないから太陽
の威力に頼らなくてもよい。そして、夏はと言えば、 それほど気温が上がるわけではないし、たまにあるあつ~い日は、冷房が無いため涼しい北向きでよかったなんてことになる。 そして、一般的にアウトドアー派
のカナダ人は夏を思いっきりエンジョイするため外出が多い。だから、家の中に日がさすかどうかなどには無頓着なのだ。
井戸の中で生まれて井戸の中で育った私にとって絶対的であったはずの常識が、実は、その自然環境と住んでいる人達によって変わってくるのだということを 驚きとともに学んだことを覚えている。そし
て、それは生活習慣だけでなく国民性にも及び、ぶっきらぼうで愛想のないバンガリー人やルールを守らない中国人、道を絶対譲らない韓国人男性など 、それぞれの異なった環境が作り上げた国民
性を、自分の常識の物差しだけで測り 善悪を決めることは出来ないのだということをマルチカルチャーの国バンクーバーが教えてくれたような気がする。
それど、そうはいっても、せっかくドアーを開けて先に通してあげたのに、Thank Youもないどころか、女王様のように当たり前のように通っていくアジア人の後ろから飛び蹴りをしてやりたい衝動にかられるのは、一向に直らないのが現実なのだが。。。
ブログ:管理人の今日のぼやき(http://www.hanaichi.ca/)より。
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