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回転寿司

10歳の男の子は、やることは半人前のくせに、厄介なことに言うことと食うことはいっちょ前だ。

そんな息子の好物は、すしのサーモン。”すし食いてえ、すし食いてえ”と機会があればほざく。誕生日でもなきゃあ、すしなんぞ食わしてもらったこと ないこっちとら、 人生そんなに甘いものでは
ないということは子供に教えようと思うわけだ。しかしながら、親の幼少時代などにはとんと興味のない我が子は、 そうは簡単に納得せず、”すし食いてえ?”と叫び続ける。そこ
で、母はとりあえずそのうるさい口を封じるために、”誕生日にね”とその場のがれの気休めを言い続け た日々だった。

そんなこんなで、時は、以外に早く来た誕生日。あれだけ言った手前、すし食わしに連れて行かないわけにはいかなくなった。”サーモンすし、サーモンすし”と浮かれている息子を横目に、 行くならばおいしいおすしを
食べたいと、どこに行こうか思案のさなか、突如 最近の子供の食欲とあの浮かれようを見ていると、急に不安になった。

”こりゃあ、回転すしは無理だ”と判断した母の横から、父がGranveillと70thあたりに”SusiKing”があったと 言う。一度覗いたらさぞかし大きなすしだったらし
い。”SushiKingねえ?”いかにもあやしい?って感じの名前だけれど、”腹いっぱいすし食えるぞ?”と言われて、乗り気になる 単純な息子とそれを見てしめしめとほくそえむ母
がいる。せっかくの誕生日。”もう駄目”というより、”死ぬまで食え”といってやりたいのが母心というもの (?)で、死ぬまで食える寿司屋に決定という運びとなった。

そして、そのすし屋は想像通りのものだった。寿司とは不思議なもので、 日本ではネタが勝負のすしなのに、このレベルだと握りのごはんが異様に気になる。ご飯の量と握り加減がまちまちで、 最悪握りのご飯がでこぼこ
だったりするといくらネタがまあまあでも、すしの総合点としては落第。そして、その馬鹿でかい大きさに一気に食欲が失せてしま うのが、日本人というものなのだ。

ところが、 驚くことに、店は白人や日本人を除くアジア人で繁盛、繁盛。そして、ふと横を見ると、嬉しそうにサーモンのすしを次々にほおば る息子と”なあ、悪く無いだろう?”という夫。そ
の二人を眺めながら、”やっぱ、こいつら、外人や。外人にはここで十分や”と思いながら、満足している夫と息子に、”じゃあ、おすし食べたくなったらまた来ようね”と一言。

そして、一方、なんとなく消化不良の母は、ひそかに日本食レストランでおいしいおすしのランチセットでも友人と食べている自分の姿がチラチラと見え隠れしながら、こりゃあ、デジャブー(Deja Vu)にきっとなるなあと思うのであった。

ブログ:管理人の今日のぼやき(http://www.hanaichi.ca/)より。

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