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カナダの大学での出来事とメディア・リテラシーについて

今朝、無事に期末試験の問題を作り終わって締め切りに間に合わせることができた。
試験日は4月13日(木)であと、約2週間。それが終われば今学期は終わりで、又9月
までの長い休暇に入る。今日は今学期、最後から2番目の授業だった。生徒に関して
とっても嬉しいニュースと悲しいニュースがあった。

嬉しいニュースは推薦状を書いてあげた日本が大好きな生徒、ジェフがNOVAに就
職が決まり、7月から日本に行くことがなったことだ。授業も必ず毎回まじめに出席
し、授業中も私の質問によく答えてくれる熱心な生徒だっただけに、そのニュースを
嬉しそうに語るジェフを見て、私までとっても嬉しくなった。できればJETで日本
に行って欲しかったのだが、彼が日本に行って英語を教えたいという決心が去年11月
のJET応募の締め切りまでに間に合わなかったため、今年はJETに申し込むのを
見送らなくてはならなかった。来年応募して受かっても、実際に日本にいくのは、再
来年の9月になってしまうので、彼はそれまで待てなかったのだろう。

悲しいニュースの方は、ガビ(ガブリエルの略称)という生徒の精神的な病気のこ
と。彼女は鬱病にかかっており、クスリを飲んでいるのだが、その副作用によって勉
強に集中できないそうだ。今日も授業の前のoffice hours オフィス・アワーズ(先
生が生徒のために必ずオフィスにいなくてはならない時間帯で、生徒はアポイントメ
ントをとらなくても自由に先生に会える)に先週のクイズ(小テスト)のmake-up
(やり直し)をしたのだが、ぜんぜんできずに泣いてしまった。

な、なにも泣かなくてもいいのに・・・(・π・;)と思ったのだが、鬱の精神状態
を考えると当然のことか?思わず抱きしめてあげたくなっちゃったのだが、セクハラ
で訴えられても困ると思い、肩を軽くたたいてあげたんだけど、自分の力の限界を感
じなんとなくすごく悲しい気分になってしまった。

カナダの大学ではラーニング・ディサビリティ Learning Disability(学習障害)
の生徒をよく見かける。彼らは授業についていけないときは、大学で無料の個人指導
を受けることもできる。試験を受ける時も他の生徒は試験会場で受けるが、学習障害
を持った生徒は違う場所(ラーニング・センター)で受け、時間制限もない。教師の
方は、リスニングのテープを2つ用意しなくてはならなかったりするのが大変だが、
しょうがない。

同じことを言ってもジェフのように集中力があり、学習能力の高い生徒だと全て頭の
中に入っていって長い間記憶にとどまるのだが、集中力のない学習障害のある生徒だ
と右から左に抜けてしまって全然記憶に残らない。ディサビリティ・センターから公
式に連絡は受けてないが、多分、ガビも学習障害を持っているのだろう。ガビもいつ
も前の方の席で一生懸命に私の講義を聞いているわりに、全然教えたことが頭の中に
入っていかない。

そういう生徒にとっては覚えることの多い日本語の授業はとてもつらいと思う。カナ
ダの学校では日本の歴史の授業で習う年号や地理の地名、首都名のように生徒に丸暗
記させることはあまりないので、物事を記憶するやり方がわからないのだ。驚くこと
に九九を最後まで全部言えない生徒もたくさんいるほどだ。カナダの学校では物事を
覚えることよりも、批判的に考えたり(critical thinking)、問題を解決したり
(problem solving)、情報を分析(analyze)したり、議論する(argument)能力などを
身につけることを重視しているからだ。


最近日本でもメディア・リテラシー media literacy という言葉が一般に使われる
ようになってきたが、1987年に中学生に世界で一番最初にメディア・リテラシーを教
え始めたのはカナダのオンタリオ州の学校だった。直訳するとメディア情報読解能力
ということになるのだろうが、一言で言い表すのはとても難しい。

日本語のサイトでは、「メディア・リテラシーってなに?
http://www.soj.jp/media-awareness/m2-literacy.html) ではさまざまな視点か
らメディア・リテラシーの定義が紹介されていてとても面白い。その中の一文による
と、

「メディア・リテラシーとは、マスメディアの性質、マスメディアが使用している技
術、そしてそれら技術のインパクトを知識に基づき、批判的に理解していく力を生徒
たちが培っていく手助けをするものです。もう少し明確に言うと、メディアがどのよ
うに機能し、意義を生み出し、組織し、そして現実性を作り上げるかについて、生徒
たちの理解と楽しさを深めることを目的としている教育なのです。また、メディア・
リテラシーは、生徒たちにメディア製作を創造する能力を培うことも目的としていま
す」

私達の生活はマスメディアによってかなりの影響を受けているわけだが、学校ではそ
のマスメディアが作り上げる情報の裏に隠された事実やその情報が本当に意味するも
のについてはほとんど学ぶことがない。カナダでそれはおかしいということで、始
まったのが、中学校でのパソコンを使ってのメディア・リテラシーの教育だ。例えば
同じ記事を読んでもその記事の表面的な内容しか把握できない人と記事の裏に隠され
た真実に近い部分を読み取れる人とがいる。メディア・リテラシーは、いかに多くの
記事を読んでたくさんの情報を熟知しているかとか、十分な批判能力、分析能力を
もっているかが、重要なポイントになってくる。又、そのメディア情報に関すること
を書くためには、議論能力、問題解決能力などが必要になってくるのだ。この能力
は、時を経て自然に身につく人もいるが、学校教育の一環として学んだ方が早いうち
から効果的に身につく。

メディア・リテラシーについて話し始めるとかなり長くなりそうなので、今日はこの
くらいにして、続きは又次の機会にでも。

美爾依様より投稿コラムです。
美爾依様のブログ「カナダde日本語(http://minnie111.blog40.fc2.com/)

こちらでは、読者よりご投稿の話題、ニュース、コラム等を当方で選びまして、掲載しております。

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コメント (1)

  1. カナダローカルニュース

    このブログの左のコラムでも見れるけど、今日、カナダローカルニュースに私が少し前に書いた「カナダの大学での出来事とメディア・リテラシーについて生徒のことについて」書いたコラ

    日曜日, 4 月 9, 2006 at 11:22 PM | Permalink

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